平成22年度首都大学東京応化同窓会総会の挨拶

平成22年11月6日
前会長 小井(いさらい) 孝行

半世紀以上の歴史をもつ都立大工化同窓会は一昨年の総会に於いて、同じ流れにある首都大学東京分子応用化学コースとの一体を諮るとする方針が承認され、その線上で都立大工化同窓会は首都大学東京応化同窓会と改名し新たに発足致しました。そして今日はその最初の記念すべき総会を迎えています。

この応化同窓会は本部の首都大学東京同窓会の下部組織即ち支部と位置づけ、母校の発展への協力、会員相互の親睦、後輩との継続的な活動を図るものであります。
 その意味において、本日は同窓会本部の田中勉会長、大学の久保由治分子応用化学主任教授、現役学生の代表の方々、そしてこの会場に溢れんばかりの多くの会員の皆様、とりわけ、馬場宣良都立大名誉教授をはじめとする一期生6名の大先輩達、福島忠正顧問をはじめとする6期生10名の先輩達のご出席を賜り、厚く感謝申し上げます。

化学に携わった我々にとって、丁度一ヶ月前の今日、10月6日は忘れられない出来事がありました。
 それはスウェーデンの王立科学アカディミーが化学ノーベル賞に根岸映一博士と鈴木章博士の名を挙げたことであります。ご両者はそれぞれ75歳と80歳でありますが、ノーベル賞対象のクロスカップリング反応の研究は30~40年前のものであり、30歳台から40歳台の成果であります。
 一般的に、知的能力には、新しいアイデアを生み出す創造力と、ものごとを理解し判断する分別力が必要とされます。
 人は20歳から80歳まで活動するとすると、分別力は20歳ではゼロに近く、年齢が増すと共に発達し80歳には100近くなり、一方創造力は逆に20歳がピークとされ、45歳ごろがこの二つが拮抗するとされています。
 吾らの同窓会は80歳前後の一期生の大先輩から20歳前後の現役学生の皆さんが集まっています。吾らが結集し、大学と同窓会の有機的結合によって、首都大学東京分子応用化学コース出身者からノーベル賞受賞者を生み出こともあながち夢ではないと思うのです。
 
 同窓会の結束というテーマで一昨年の総会から活動して参りました。
4回の理事会の審議を経て、
 ①同窓会規約の見直し
 ②ホームページの立ち上げ
 ③同期会の充実を呼びかけ、各期の幹事からの要求による同窓会名簿の提供 
などなど微々たる活動ではありましたが、本日、今までの総会の最多である70名の参加者を得て、総会を開催するに至りました。
 
 同窓会の新たな名称の元、新しい皮袋には新しい酒を入れて、先輩達が築きあげた組織をより活性化していかなくてはなりません。
 皆様方のご協力に感謝し、より一層のご支援をお願い致して、会長挨拶とさせて頂きます。